東海道新幹線車内殺傷事件

東海道新幹線車内殺傷事件
事件概要

2018年6月9日、21時45分頃、新横浜駅から小田原駅区間を走行中の、新大阪行き最終の、のぞみ265号の12号車において、小島一郎(当時22歳)が乗客3人を鉈や果物ナイフで切りつけ、梅田耕太郎さん(当時38歳男性、兵庫県尼崎市在住)1人を殺害し、女性2人に重症を負わせた。

凶行は、最高時速280キロを超える車内で起きた。

のぞみ265号の12号車後方の2列シートの左側に座っていた、小島一郎が立ち上がり、ナタと果物ナイフを手に持ち、右隣の席に座っていた女性Aさんにいきなり鉈で切りつけた。

「助けて」というただならぬ叫び声を聞いた2つ後ろの席に座っていた会社員・梅田耕太郎さんは、凶行を阻止しようと小島一郎に飛びかかり、小島一郎ともみ合いになり、梅田耕太郎さんが倒れた隙に通路を挟んで左隣にいた女性Bさんを小島一郎は切りつけた。

その後、梅田耕太郎さんが、切りつけられた女性2人を後方に避難させ、小島一郎に立ち向かったが、小島一郎に馬乗りになられて執拗に、果物ナイフで首など数十カ所をメッタ刺しに切りつけられた。

新幹線内は梅田耕太郎さんの血で、血の海となった。

12号車での事件を聞いて駆けつけた車掌は、小島一郎に近づき説得し確保した。

列車は非常用ボタンの作動により綾瀬市内で緊急停止した後、22時3分に小田原駅に緊急停車し、小島一郎は駅で待機していた警察官に殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された。

また、負傷した梅田耕太郎さんは小田原市内の病院に搬送されたが、搬送時すでに心肺停止となっておりまもなく死亡した。

女性Aさんと女性Bさんの2人も重症を負った。

梅田耕太郎さんは、梅林小学校を卒業すると、私立栄光学園に入学。
元首相の細川護熙氏や、東京大学名誉教授で解剖学者の養老孟司氏らを輩出した神奈川県が誇る超名門中高一貫校。
子供の頃から社交的で、正義感を持ち合わせて、困っている人を見ると、積極的に手を差し伸べてくれるような人でした。

一方、小島一郎は愛知県岡崎市在住の当時22歳。

5歳のころ、児童保育所から発達障害の一種である「アスペルガー症候群」の疑いを指摘される。
学生時代は、両親からは実質的に育児放棄されていたが、唯一慕っていたのが、養子縁組をしていた母方の祖母でした。

人付き合いやいじめなどが原因で、部屋に引きこもったり、職を転々としていましたが、事件の前、ホームレスになりたいと勤めていた会社を1ヶ月で辞め、半年間ホームレス生活をしていた。
ホームレスの期間は、祖母のキャッシュカードを持って行き、祖母の年金で生活し、凶器となった鉈と果物ナイフはそこから捻出されたと思われる。

小島一郎の話では、事件の約3カ月前にホームレスをしていた小島一郎を心配して、祖母がかけた電話で「いない存在だと思えばいいのかな」と話したことを、小島一郎は「養子縁組を解消する」という意味に捉え勘違いしたことをあげた。

事件後、「私は窓際にいる人を殺そうとしましたが、残念にも殺しそこないました…」「私は止めに入った人を見事に殺しきりました」などと供述し、動機については「刑務所に入るために計画した無差別殺人だ」と主張。
その結果、「刑務所に一生入れるような重大な犯行を起こそう」と考えるようになったと話し、2018年7月13日、横浜地検小田原支部は小島一郎の精神鑑定を行うための留置を開始した。

精神鑑定の結果、小島一郎は刑事責任能力があると判断され、2018年11月19日、横浜地方検察庁小田原支部によって殺人などの罪で起訴された。

判決

2019年11月28日、横浜地方検察庁小田原支部で初公判が行われ、起訴事実を認め、2019年12月18日、横浜地方裁判所小田原支部は求刑通り無期懲役を言い渡し、控訴せず翌2020年1月に確定した。

小島一郎は「控訴はいたしません。万歳三唱します」と叫び、両手を上げて万歳したという。